キーワード辞典
「○○初!」な授業

登録日 08/12/05   更新日 08/12/05



[2021-04-14]
以下の文章を書いたのは2008年で、商業分野についてだったのですが、 その後、情報分野でも、 「初めてiPadで...」「初めてChromebookで...」「初めてLineスタンプで...」 等々、根拠も無く殊更に彼方此方で起源の主張を書き散らかし、 書かれた事を根拠にしたい教諭が続出している様で、 これは、商業に限らず、教諭に共通する特徴なのだと固く確信している。 周囲の取り巻きには拍手喝采されるかも知れないが、 常に情報に敏感なサイレントマジョリティ達にとっては、 「別にどうでも良いけど、そんなの、昔からやってるって!!!」と、苦笑して通り過ぎるしか無いこと。 この辺りの事は、別の機会に、別の処で、書いてみたい気分。
但し、私は、本文に有る通り、「初めてで無いからダメ」と言いたい訳では決して無い。 決して手法は初めてでは無くとも、様々な深い学びは、その都度、 各学校の状況に対する授業者のカスタマイズにより、存在させる事は可能。 「同じ授業」など、一つも無い。


○○初!

特に商業高校系の起業教育の発表会などでよく使われるが、 その時点で聴く人のその取り組みに対する信頼性を半減させるに充分な言葉。 「日本初!」「(地域名)初!」「高校では初!」など、色々有るが、 「(コンビニ名)初!」「(地域名)の(コンビニ名)初!」など、それを言う意味が不明なものも有る。 しかも、「○○初!」が、実はウソ、デマカセ、捏造であることも非常に多い。 一寸調べれば判る事なのに得意満面な発表者、それをそのまま報道しているマスコミも笑えるんだけど。 そんな井の中の蛙な事をしているから、 商業高校系の起業教育は、他から差を付けられていく。

「○○初!」が強調されるのは、生徒の学びには何の関係も無い場合が多い(関係が有る場合も有る)。 取り組みの発表でそれを前面に出さなければならないということは、 それだけの内容だ、と自ら言っているに等しい。

発表すべきは、それが初めてであろうが、そうで無かろうが、 その取り組みによって、生徒が何を学び、どう変わったのか。 そして、教諭は、それをどの様に分析し、どの様に評価したのか。

しかし、上記の様な発表会では、新聞の見出しの様な学校や教諭の自慢話の羅列が殆どで、 これらの事を聴いたことは、あまり無い。 勿論、昔からゼロでは無く、最近は徐々にではあるが増えて来ているかも。

ド派手なだけで実は教諭と地域の大人達の上膳据膳、生徒は傀儡になっている 何の中身も無い自己満足だけの取り組みも見て来たし、 地味だけれど大切な何かを生徒がきちんと学んでいる、 そしてそれがきちんと評価されている、そんな取り組みも見て来たよ。





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