キーワード辞典
二項分布

登録日 08/12/05   更新日 22/10/26



ベルヌーイ試行

コイントスなど、何かを行った際に一定の確率で2つの結果のみ起きる試行のことを「ベルヌーイ試行」と言う。 ベルヌーイ試行では、一般に、2つの結果のうち片方を「成功」「1」とし、もう片方を「失敗」「0」とする。
コイントスは、表が出るか(成功)、裏が出るか(失敗)とすると、その確率はどちらも2分の1、 サイコロで、1の目が出るか(成功)、それ以外が出るか(失敗)とすると、 その確率は、成功は6分の1、失敗は6分の5となる。


二項分布

ベルヌーイ試行をn回繰り返す事によって、 X軸をn回の内で成功する回数k、Y軸をk回成功する確率として描かれる山型の分布を二項分布と言い、 n回の内でk回成功する確率は、 繰り返す回数をn、その内で成功する回数をk、成功する確率をp(0≦p≦1)とすると、

(1-p)n-k

で求められる。

は、n回の内でk回成功する組み合わせの数、 p は、k回成功する確率、 (1-p)n-k は、残りのn-k回を失敗する(=1-p)確率で、 この3つを掛け合わせたものとなる。

また、期待値(平均値) μは、試行回数n×成功確率p、 分散 σ2は、試行回数n×成功確率p×失敗する確率1ーp、 で求められることが判って居る。

二項分布は、
が条件となる。



Excelで二項分布のグラフを描く

コインの例。
関数は、「 = BINOM.DIST ( kの値, nの値, pの値, FALSE )。
10回の内で5回成功する確率が最も高い。

10回の内で成功する平均回数 μ は、10 × 1 2 = 5。
分散 σ2 は、10 × 1 2 × ( 1 - 1 2 ) = 2.5。


サイコロの例。
セルC3の数式は、「=1/6」。
セル幅の都合上で見た目は0%表示のセルも、実際は0%では無い。


10回の内で成功する平均回数 μ は、10 × 1 6 = 1.666...。
分散 σ2 は、10 × 1 6 × ( 1 - 1 6 ) = 1.3888...。

成功確率pが小さい程、(なかなか成功しないので)左側に寄り、尖った山型になる。


サイコロの例2。
サイコロを振る回数nを10回から100回に増やす。
グラフでは、横幅の都合によりX軸の成功する回数kを0から30まで表示している。


100回の内で成功する平均回数 μ は、100 × 1 6 = 16.666...。
分散 σ2 は、100 × 1 6 × ( 1 - 1 6 ) = 13.888...。

此処から、試行回数nを 1000 に増やすと、グラフのX軸Y軸の目盛が等しければ、 n=100と比較して更に低く滑らかな山型になり、 成功する回数kの平均 μは、166.666... になることが推測出来る。

つまり、試行回数nが大きくなると、小数部分が整数部分になることで最頻値、中央値が平均μに近づき、 また、成功回数kの範囲が増える分だけ、各々の回数で成功する確率は小さくなる。



実際にやってみて、 「余りにも成功し過ぎるんじゃない?」と言う場合は、コインやサイコロ、 或いは試行の仕方を疑う場合も有る、かも。 それは、別の項で。





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