情報や思想信念を検証する際に、それを支持する情報ばかりを集め、 或いは、情報の自分に都合の良い部分だけに着目して、 そうで無い部分に気付けないか、切り捨てようとすること。 また、自分の望む稀な事象の起こる確率を過大評価すること。 認知バイアスの一種。
一方の面にアルファベット、その裏面に数字が書かれた4枚のカードが有り、 それぞれ「A」「K」「4」「7」を上にして置かれている。 これらのカードにおいて、 「アルファベットの面が母音ならば、その裏の数字の面は偶数」というルールを確かめるには、 最低限、どのカードを裏返して確かめれば良いだろうか。
解答者は、明示されているルールにとらわれ、 母音である「A」と偶数である「4」のカードを裏返して確かめる事で、 自分の問題解決に満足しようとする傾向が有る。 しかし、 「一方が母音ならば、その裏は偶数」ならば、 「一方が奇数ならば、その裏は子音」でなければならないが、 「一方が子音」「一方が偶数」の場合は、その裏面は制限されない。 従って、正解は、『母音である「A」と奇数である「7」の裏面を確かめる』である。
これを、『数字とアルファベット』では無く、 『年齢と飲物』に置き換えてみる。
一方の面に年齢、その裏面に「ビール」か「烏龍茶」の絵が描かれた4枚のカードが有り、 それぞれ「烏龍茶」「ビール」「16」「24」を上にして置かれている。 これらのカードにおいて、 「飲物がビールならば、年齢は20歳以上」というルールを確かめるには、 最低限、どのカードを裏返して確かめれば良いだろうか。
(1)と同様に、一瞬「ビール」と「24」を確かめたくなるが、
「飲物がビールならば、年齢は20歳以上」というルールならば、
「年齢が20歳未満ならば、その裏の飲物は烏龍茶」でなければならず、
「飲物が烏龍茶」「年齢が20歳以上」の場合は、その裏面は制限されない。
従って、正解は、『「ビール」と「16」の裏面を確かめる』である。
理屈は(1)と全く変わらないのだが、
解答者は、予め「20歳未満はビールはダメ」という社会的ルールを日常として意識している為に、
間違えることは少ない傾向にある。
AI制御された情報や五月蠅いノイジーマイノリティ達と、 それに煽られ、或いは便乗している人達が振り撒く情報って、 或る事象に対して都合の良い部分ばかりを殊更に強調し、 そうで無い部分は見えないままに切り捨てられている傾向が物凄く強い様に思えて、怖い。 それは、あたかも、(2)で、 「ビール」と「24」のカードを確かめさせようとしている様に。