著作権の授業って、基本的な話の後で、 「これはマル?」「これはバツ?」とかやって終わるのが多いけれど(個人の感想です) 何故マルか、何故バツか、までは、なかなか行かなくて、 生徒も消化不良の様な気がしている。 その理由の一つは、生徒が、何かを作り出すために、どの様な人が関わり、 どの様に動いているのか、がイメージ出来ない所為ではないか、と考えている。 例えば、地図にも著作権が発生する、というと、大抵の生徒はへぇ、という顔をするが、 地図にも用途や見易さをデザインする人が居る、という話をすると、納得して貰えることが多い。
(例1)
例えば、積雪量(値)に著作権は無い。
それを縦棒グラフにしても、値を表しているだけなので著作権は無い
(逆に有ったら大変だと思う)。
しかし、デザイナーが例えば雪達磨などを使い判り易く積雪量を表す独創的なグラフを作成した場合は、
そのデザイナーに著作権が有る場合が有る。
著作者によって独創的にデザイン化されたグラフに著作権が有るのであって、
グラフというもの自体に著作権が有る訳では無い。
(例2)
例えば、地形に著作権は無い。
よって、地形や宅地を極めて忠実に書き写しただけの、独創性の無い地図には、著作権は無い。
しかし、地図にするにあたり、デザイナーによって、
地図の種類や目的、用途に合わせ、見易さや色遣いが考慮されていたり、
例えばイラストの入った商店街マップだったり、
デジタル化され便利で独特の機能が付加されていたりする地図には、著作権が有る。
著作権って、権が付くから権利が強調されるけれど、 著作物が守られている事に対する責任も生ずる。 著作権フリーっていうのは、 要は、使っても良いけど著作者は責任持たないよ、という意味。 カッコ良いと思っているのか乱用する人が居るが、 時と場合とモノ(写真とか)によっては、自分は無責任だと言っているのと同じ。 判っている人は、著作権は有るけど自由に使って良いよ、という言い方をする。
蛇足だが、TVの「あげる君」のCM、 あげる君が悪びれもせず「皆の為にしているんだ」という主張に対して 犬のお巡りさんが「違法だから」としか言わないのが、結構、不愉快。 まるで、鼠小僧のノリ。あげる君が正義で、法が有るのが悪いみたい。 何処が作ったんだろう?