Project-C -地上の星座たち-/高校生の店
岩手県立水沢商業高校「ござえんちゃハウス2008前期」

登録日 04/01/24  更新日 08/07/26


岩手県立水沢商業高校の「ござえんちゃハウス」は、 2004年1月24日にこのサイトで紹介させていただいて以来、 常に公式WebPageをチェックしており、 また、度々、同校の多田先生より情報もいただいていました。 その活動やマスコットの可愛さ(!?)で、 私が実際に行きたいお店リストの上位に来ていたのですが、 地理的、時間的、予算的に難しく断念していました。 しかし、10周年記念ということも有り、今年こそ是非とも、と、思い立ち、 2008年7月6日、私的に、夜行バスとJR鈍行で、 岩手県立水沢商業高校の「ござえんちゃハウス2008前期」に行って来ましたので、 報告致します。

先ず、2004年当時に私が書いた基礎知識と、 2008年7月4日(偶然にも訪問の2日前)付けでいただいた資料を掲載致し、 その後で、私のレポートと写真を載せます。


「ござえんちゃハウス」の基礎知識

「ござえんちゃハウス」は、平成11年から続いている水沢商業高校のチャレンジショップ。 「ござえんちゃ」とは、岩手県胆江地区の方言で、「いらっしゃいませ」の意味。 最初は、空洞化が進む水沢市中心商店街活性化のため、本校と水沢商工会議所が協力し、 地元で採れた野菜などを販売することから始まりました。 最初の3年間は、水沢商工会議所が主催で、本校生徒が販売を担当していました。 平成14年度からは本校が主催となり、授業の一環として店舗の運営 (商品の仕入れ、値入、宣伝、販売、記帳など)すべてを生徒が行っています。
営業日や営業時間、取り扱い商品などは、以前は年によって変化し、 春から秋にかけて、第2第4日曜日や、毎週土曜、日曜に営業していた年もありましたが、 近年は、開催期間を前期と後期に分け、7月に商業科3年生が前期営業、10月に商業科2年生が それぞれテーマを決めて担当しています。 流れとしては、2年次で販売員としての資質や商品の仕入れ、 値入、陳列方法などを学習して秋に実習店を運営し、 その反省や課題を元に、3年次ではベンチャービジネス(起業)などについて学習し、 模擬有限会社を設立して夏に実習店を再度運営しています。

左、マスコットキャラクターのござえちゃん。右、地図。
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「ござえんちゃハウス2008前期」について(資料)

「ござえんちゃハウス2008前期」実施要項

  1. 内容:
    商業科3年生を中心とし、5グループに分けて、一人1,000円の出資金をもとに模擬確認株式会社を設立する。各株式会社のの経営方針(テーマ)のもと、商品を選択し、仕入れから販売・決算までの経営活動を行う。 実習を通して販売員としての資質、起業学習、商品の棚卸、会計処理、商品開発、魅力あるまちづくりなどについて実践的に学ぶ。
  2. 実施期間:
    平成20年7月3日(木)~7月11日(金) 8日間〔7日(月)は休業日〕
  3. 営業時間:
    11:00~18:00(土・日曜日10:00~17:00)
  4. 実習場所:
    「ござえんちゃハウス」水沢区字東町4 (水沢グランドホテル隣・旧いっぷく亭)
  5. テーマ・実習人数:
    メインテ ー マ:「地産地消」
    会社名取扱商品テーマ
    りじょらふ(株)「体にいい食品」
    MC∞(株)「野菜」
    カマンベール佐藤(株)「おかずとチーズ」
    honeyと~すと安部「岩手の漬け物」
    いしかわ堂(株)「高校生の開発商品」


新たな取り組み

平成11年に水沢の中心商店街活性化のために、 高校生のアイディアで買い物客を呼び込むチャレンジや地域に意見を提言していこうと始まった 「ござえんちゃハウス」も今年で10年目を迎えました。 これまでにも、地元製麺会社と共同開発した「水沢二物考そばはっと」や、 水沢商店街協同組合加盟店の協力で発行した「フリーペーパー&クーポン 奥州ルネッサンス」など、 地域と密着した活動をしてきました。 今年は、通常の営業の他に次の2点について新たに取り組んでいます。

  1. キッズ・ビジネス・チャレンジ事業(学校間連携)
    <実施要項>
    1. 目的
      高校生が商業高校で学習したビジネスに関する知識・技能をもとに、 小学生に対して事前指導及び販売指導を行いながら、 実際の販売活動を体験的に学習することによって、 小学校及び高等学校におけるキャリア教育の推進と、 地域社会・学校間連携の推進を図ることを目的とする。
    2. 募集要項
      (1)対 象 水沢小学校5・6年生の児童
      (2)条 件 2回の事前指導と販売実習(店舗まで送迎が可能なこと)に参加できる児童
      (3)定 員 最大20名(実参加者 6年生2名、5年生5名)
    3. 事前指導 6月26日(木)、7月4日(金)(計2回)
      (1)場 所 水沢小学校 教室
      (2)時 間 15:00~15:45
      (3)内 容 6/26 商品の選択、あいさつ練習
             7/ 4 値段の決定方法、現金収支の記帳、店舗内広告の作成
    4. 販売実習 7月5日(土)、6日(日)のいずれか1日
      (1)場 所 ござえんちゃハウス(水沢駅前通)
      (2)時 間 営業時間(10:00~16:00)のうち、都合の良い2時間程度(児童の希望する時間)
             保護者の方には店舗まで送迎をお願いします
      (3)内 容 あいさつの実践、商品PR、レジ打ち、呼び込み
      (4)保 険 販売実習中の事故(移動も含む)に備え、保険に加入する
    5. 会計処理
      • 商品の仕入代金、広告作成に係わる消耗品費、保険代など全ての経費は、本校が負担します。
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      • 児童が仕入れた商品の売上代金は、「ござえんちゃハウス」の売上として処理し、売れ残りが生じた場合は営業期間内に本校生徒が代わって販売します。
    6. 事後指導  
      • 販売体験の記念品を差し上げる予定です。
      •  
      • 販売実習終了後に、アンケート用紙と封筒を配布します。販売実習を経験してみて楽しかったこと、難しかったことなどの感想を書いてもらい、後日投函していただきます。

      1段目左から、お店屋さんの説明の紙芝居。仕入商品の選定。挨拶の練習。
      2段目左から、POP広告作成(2枚)。販売実習(2枚)。
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  2. 電子商取引の実習(産学連携)
    インターネット・ショッピングモール(楽天市場)の開設・運営
    現在、学校の公式ホームページからオリジナル商品をweb販売している学校場見られます。本校でも「水沢二物考そばはっと」という地元の製麺会社と共同開発した商品を持っているのですが、それをインターネット・ショッピングモールで販売することによって、開店までの手続きや販売促進活動、ネット管理者としての取り組みを、実践を通して学習しようと考えました。 そこで、ビジネス実践(学校設定科目)の授業の中で、実際に楽天市場に商店を開店しようとしたのですが、学校が店を開設するわけにいかないので、地元の製麺会社が楽天市場に開店し、その手伝いをする事になりました。つまり、製麺会社のインターネット販売部門の社員が本校生徒なのです。 7月7日にオープンの予定ですのでお知らせします。

Ryn追記
7月11日、楽天市場に、 奥州発 ござえnet 小山製麺with水商 がオープンしました。 このショップは、3年情報システム科が「電子商取引」の授業の実践として、 地元の製麺業者の協力を得て開店したものです。 業者さんのwebショップ担当として生徒が運営していきます。



冒頭にも書いた様に、 以前から「ござえんちゃハウス」は、 実際に行きたいお店リストの上位に来ていたのですが、 地理的、時間的、予算的に難しく断念していました。 しかし、今年が10周年記念ということで、 今年こそ是非とも、と、思い立ち、お邪魔して来ました。
前日は商店街で楽市があった事も有ってレジに長い行列が出来るほど大変な賑わいだったそうですが、 お邪魔した日は、タイミングも有ったのか、結構空いていました。
皆様にはお世話になりました。対応していただき、有難うございました。 以下は、その時の写真です。


店頭の様子。キッズも頑張っています。
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5つの株式会社
店内の三方の壁に店舗が並び、中央には丸テーブルが置かれています。
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キッズビジネスチャレンジ。
上段、左から、店舗、中2枚、キッズが選んだこだわりの商品の数々、右2枚、実習中のキッズ。
とても暑い日で、昔懐かしいテイストのサイダーが飛ぶ様に売れていました(私もいただきました)。
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jpeg 今回の印象的な風景。
年配の方が来店されると、店員さんが自ら買い物籠を持ち、お客さんと一緒に店内を回ります。 店内や店頭での応対は勿論、試食を勧めてくれたり 高校生とキッズが近づいて来て団扇で扇いでくれたり(とにかく暑い日だったのです)、 といった、店員さんの所作や笑顔や言葉が、とても自然な感じです。 何気にそんな心配りが出来る店って、凄いな、と感じます。 この様な事って、実際にお店に行かないと判らないのだけれど、 角度が45度とか30度とか、と同等以上に、とても大切な事だと思います。
10年間継続し、時期が来ると地域の人から「また、ござえんちゃハウスが開くなぁ」と言われる様になった、 地域に馴染んだお店なんだな、と感じます。

今回の買い物の一部&頂き物。
上段左、袋から顔を出している団扇は、10周年記念、数量限定、非売品のレアグッズ(?)。
上段中2枚、箱入りそばはっと。中にはレシピ集2が入っています。
上段右、地元業者のなめらかプリンの10周年記念パッケージ(私が食べた後)。
下段は一迫商業高校の開発商品、米から作った和風カステラ「米ていら」。 以前から食べたかったのですが、ふかふかでとても美味しかったです。
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おまけ。後日の頂き物の写真。
左、お邪魔した日の前日のお店の様子。大賑わいでレジには長い行列。
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