キーワード辞典
エラーを出すということ

登録日 12/08/13   更新日 12/08/13

 現場の教諭に好都合な「プログラミング教育の目的」  エラーを出すということ  何故、間違いかということ
 思考の出し入れということ


エラーを出すということ

大昔、まだCOBOLが全盛期のころ、 「出来るだけ多くの種類のエラーを出せ」という課題を出していたことがあります。 「数」ではなく「種類」であるところがミソで、 文法エラーを幾ら沢山出しても種類は1つ、 多くの種類のエラーを出すにはそのエラーの原因が判っていないと駄目な訳で、 実はかなり難しい課題なのです。 しかし、この課題をする事で、エラーの原因を想像出来るようになり、 デバッグの時間が短縮されます。

プログラミングに限らない話ですが、 生徒が自分で考える事無く、全て教師の言うとおり、 説明聞いて判った気になって、トラブルなく順調に筋書き通りにうまくいって万々歳、な授業では、 生徒は教師の言う「正解」を覚える事が勉強であり、 「エラーを出すこと」→「不正解」→「減点」という意識しかなく、 生徒は教師から教えられていないトラブルに陥った場合に対応出来ず、それが実はどれだけ簡単な事でも混乱し、 自分で考えることをせず「判らない」「教師の教え方が悪い」と大合唱します。 そこで、学校や教諭は無難に「大合唱」が起きない様にします。 「問題解決能力」と言いながら、 生徒は自分では問題を解決出来ず、他人に責任転嫁しているのです。 そのこと自体を「教え方が悪い」と言えば、そうなんですが。

人間はエラーを知ることでエラーの種類と原因を理解し、対応する力を身に付けます。 では何故、学校では正解だけを教え、不正解(エラー)を教えないのか。 生徒に不正解を教えていると、 やっぱり「教え方が悪い」と、教師と学校の評価が下がるからです。





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