キーワード辞典
授業の中のプログラミング的思考

登録日 17/02/07   更新日 19/06/20



プログラミング的思考

この言葉に関しましては、 文科省、総務省、経産省、事業者、メーカ、など、様々な立場の方々の主張が有りますので、 公的な詳細は、そちらの方をご覧いただくとして、 以下は、あくまでも私のスタンスです。
「全ての人間がプログラマになる訳であるまいし」と言う意見も有りますが、 全ての人間が自動車を運転しなくとも道路交通規則は知っておいた方が、或いは、 全ての人間が気象予報士にならなくとも気象災害の知識が有った方が、 全ての人間がミュージシャンにならなくともドレミファは知っていた方が、生き方に幅が出るのと同程度に、 これからの時代、様々な分野で日常的に溢れるICTやAIを上手に使いこなし、 トラブルを想定、回避、解決し、(プログラムに)騙されない為に、 そして、新たなアイディアを創造する為に、知っておいて損は無い、と思っております。 10年後は、もしかしたら、誰もがプログラミング的思考が普通な時代になっているかも知れないしね。


授業の中のプログラミング的思考

例えば、表計算ソフトで、全国珠算競技大会の成績管理をしたい、と思った際に、 その表の作成の過程を頭でイメージ出来るか否か、の差は、大きい。 どれだけ関数を覚えていても、連携出来なければ、表は完成しない。 この、表をイメージ出来る思考が、基本的なプログラミング的思考なのだと考える。
小学校においては、プログラミングを主体とした授業は、それはそれで良いけれど、 最低限として、プログラミングを主体にするのでは無く、学校で学習する内容に対する、 シンキングツールやシミュレーションツールとして利用出来れば良いと考えている。

そして、中、高校では、さらに、解決すべき問題について、筋道を分析整理、一般化し、 どの様にICT機器で効率的に解決出来るかを推測する思考、 対象となるものの中から反復を見つけ出したり、規則性を見つけ出したり、 モジュール化したり、する様な思考の過程、 さらに、それをICT機器で実現する為に必要な考え方を知ることに繋げていければ、と、 自分では思っている。


授業の中のプログラミング的思考 その1

小学校レベルな、身近な例で言えば、


などがあり、
高校レベルな、コンピュータが絡んだ例で言えば、

などが入るんじゃないかなあ、などと考えている。
そして、其処から、

などに繋がって行ければ良いな、と、思っている。



授業の中のプログラミング的思考 その2

例えば...。
プログラム言語が使えるだけではプログラムは作れない。 プログラミングには、目的(会計処理とか、成績処理とか、迷路脱出とか、描くとか、演奏とか) へ落とし込む問題解決の為の知識が必要になる。 文法エラーが有ると動かないが、論理エラーが有るプログラムは最悪だ。 全ての物事はプログラムの対象になる。 小学校のプログラミング的思考って、其の事の気付きなのではないかと思ったりする。 その点でScratchはオブジェクト指向だし文法エラーが無いから論理の試行錯誤がし易い。
図は、Rynが作ってみた「チューリップ」の前半の例。
最初から右側を教えるのではなく、自由に左側の様に作らせ、 その中から規則性を見付けさせ、少しずつ段階的に右側の方へ試行錯誤させていく。 楽譜を置き換えさせるという手も有る。 論理的なアルゴリズムになっていれば、答は一つでは無い。 小学校でScratchやロボットを使いこんな授業を受けて来た生徒が数年後高校生になるのですよ。 インチキして検定に合格させて安穏としている場合では無いのですよ。 「自分が退職するまでは大丈夫だろう」なんて本気で考えていそうだけどね。







[ 赤い玉の画像 ] 「キーワード辞典」の目次へ

[ 黒板消しとチョーク受けの画像 ]