学校と情報教育に関する幾つかの想い Part.14
本末転倒

登録日 07/02/03   更新日 08/07/14

目次

今は昔の話ですが...

(1).
人が人を殺すのは、ナイフの責任ではありません。
人が人を殺すのは、人の責任です。
ナイフの正しい扱い方を教えるのは、人の責任です。
ナイフの責任にして、それを放棄しているのが、今の風潮です。

( '07/02/03 記す )


(2).
商品開発に際して、生徒が曰く、
「有名アニメキャラを使っているけれど、著作権は大丈夫なの?」
それに応えて教諭が曰く、
「こんな、たかが生徒が数人で考えて開発し販売実習で売る様な商品は、 著作権なんてどうでも良いのだ」
ふぅん、そうですか。
商業高校の商品開発っていうのは、出来上がった商品自体が目的なのではなく、 商品開発を通して、流通や簿記や法律上の手続き、 マナーなどを学ぶのが目的だと思っていた。 商品開発と称して海賊版作って販売実習で売って、 他人の権利なんてどうでも良い、儲かりさえすれば良い、マスコミが騒いでくれれば良い、 これが「商業(Business)教育です!」。

(3).
定期考査を控えた生徒から、例えば、HTMLの色指定 (000000は黒、FFFFFFは白、FF0000は赤、では...、という様な事です) について質問された際に、私が一通り説明した後で、 生徒から「答えは絶対にコレだね?」と言われる様な事が何度か有って、その意味が判らなかった。 後になって、 「こう問われたら答えはコレ、こう問われたら答えはコレで、他の答えは無いね?」 という意味だと判って、結構ショックを受けた。 そうか、16進数や光の三原色はどうでも良くて(質問者は知らなかった)、 質問の文章と答えの単語を暗記すれば良いのか。 授業で教えられた8通り程度の組み合わせを答案用紙に書き込めばそれでお終い、 「では桃色は?」という自発的な発想は永遠に出て来ないのだろうな。

(4).
「折角、生徒をなだめ、わざわざバスを借りて(全国で発表した)プレゼンをしに来てやったのに、 オーディエンスが寝ているのはケシカラン!」と憤る引率教諭。
或いは、両脇に生徒を従え、教諭が中央に花束を抱えて笑っている、資格取得に関するプレゼンのスライド。
もう少しなんだから集中して聞く様に!」とオーディエンスに注意する教諭。
最後は決まって「くだらないんだから来年は止めれば良い」
以上、県の課題研究生徒発表会の風景。

(結).
様々な事柄について、 「逆らわない方が身の為だ」 「どうせ何処の学校ででもやっている事なのだから」 「だから、構わないのだ」と、 何か有る毎に聞こえて来ます。 私は、 本当に何処の学校でもそんなことをやっているのか、 発言者がそう信じているのか、 それとも発言者がそう思いたいだけなのかは知らないけれど、 結局は、本質がないがしろにされている様な気がします。

( '08/07/13 記す )




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