学校と情報教育に関する幾つかの想い Part.11
知己知彼

登録日 06/05/15   更新日 06/05/15

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はるか昔、言語学の学生だった頃に知った話。

アイヌの世界には、オキクルミとサマユンクルという2人の神様が居ます。 この2人の神様は、 北海道の有る地域ではオキクルミは良い神様でサマユンクルは悪い神様、 また別の有る地域では逆にサマユンクルが良い神様でオキクルミが悪い神様、 として語られています (勿論、片方が善人ばかりの地域でもう片方が悪人ばかりの地域、ということでは決してなく、 恐らくこの2人は各々の地域で慈悲深い英雄だったのだと考えられています)。 その一方の地域に有力な長老や偉い学者などが居たりすると、 その地域での2人の神様の立場が大々的に世間に発表され知れ渡ることになり、 もう一方の地域での2人の神様の立場は知られないままになるのです。

日本のプロ野球や’02年のサッカーW杯を例えに挙げるまでもなく、 権力やスポンサーべったりな審判者とマスコミによって毎日流される膨大な情報が 全て本当に正しいなんて私は信じていないし、 私自身が今知っている事が全て本当に正しいなんて信じてもいない。 ネット上で時として起きる不毛な議論の様に、 自分が考えていることが全て常識、正義であり、誰よりも正しいなんて信じてもいないし、 他人が自分と同じ考えでなければいけないなんて考えもしない。 人間なんて、それぞれだから、10人居れば10の考え方があり、 誰かの発想が私にとって思いも付かないことだったりするし、 私の発想が誰かにとって思いも付かないことだったりもする。 私は「誰か」の発言に対して発言をする事もあるけれど、 「誰か」自体を否定するつもりは全く無い。 みんなが違うのだから、 お互いに自分自身で情報を確かめ、その違いを認め合いながら、 お互いの領域を認め合いながら、 お互いのための共通項を見つけ、やっていければ、と思うのです。

人間って、 自分の価値観を他人に当て嵌めて判断し或いは押し付けようとする人と、 (良い意味で)人は人、自分は自分、適材適所、パートナーシップと考える人と。 私だって、まだまだ修行です。

( '06/05/15 記す)




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